◆野村アセットマネジメントが公社債投信の内容変更に踏み切る!
誕生から40年以上を経て、公社債投信が大きく変貌を遂げる。昨年4月、従前の予想分配を廃止し、投資信託本来の姿である実績分配に移行したことは記憶に新しいが、この4月設定分から野村アセットマネジメントの運用する公社債投信の内容に再び変更が加えられることになった。
まず、「この程度の分配額を目指して運用します」という意味合いで提示されていた「目標分配額」が、4月号(4月20日設定分)から1万口につき10円程度と大きく引き下げられるとのこと。率にすると0.10%(課税前)で、これまでの1.0%から10分の1になる。同社の説明によると「元本の安定性に最大限配慮すると、目標分配額は代表的な短期金利である1年円LIBOR(ロンドンのユーロ市場での銀行間取引における金利)程度になる」のだそうである。これまでの目標分配額が依然残っていた含み益によるものであり、それをほぼ吐き出してしまったため、言うなれば素の運用でかつ安全性を重視すると、この程度にならざるを得ないということなのであろう。公社債投信は、証券会社の財形貯蓄向け商品であることも考えに入れると、利回りばかりを追求していられないのもうなずける。
これに伴い、解約手数料も大幅に下がり4月号は2円/1万口に(各回毎に設定される)なる予定。100円/1万口を上限に各回毎に設定されることになる。仮に、4月号が決算時に0.10%(課税前)の分配実績となり、その時点で2円/1万口(0.02%に相当)の解約手数料を払って解約すると、税引き後の利回りは0.06%ということになる。ゼロではない元本割れのリスクを負った上でのこのリターンを高いと見るか低いと見るかは意見の分かれるところだろう。
◆個別元本方式の採用
そして一番大きな変更点は、「個別元本による課税方式」に変わるという点。従来の公社債投信は必ず1万口当たり1万円で購入したが、ほとんどすべての投資信託がそうであるように、これからは購入時点の基準価額で購入することになる。課税は、決算時の分配金(基準価額1万円の超過分)に20%源泉分離課税、解約時には解約時点の基準価額で解約となるが、購入時の基準価額と解約時の基準価額の差額に対して20%課税となる。従来の公社債投信は、決算日の基準価額が1万円を下回っていると追加設定ができなかった(中期国債ファンド、MMFも同様)が、個別元本になると、決算日の基準価額が1万円を下回っていてもその価額で購入できる。当然のことながら、決算日の基準価額が1万円を下回っていた場合は、分配金は出ない。
しかしながら、普通の投資信託と同じになるということであって、何も特別なことではない。他社がこれに追随するかどうかは定かでないが、遠からず同様の商品性になると見て間違いないだろう。
(有)ワイズマネジメント 伊藤 裕 |